まだ四季位はあった一昔前の日本の、夏休みの初日みたいな緑茶だった。焼けたアスファルトの香りが鮮烈に走り抜け、遅れてほうれん草・白檀がゆったりと漂う。田舎のひなびたバス停で少し時間を潰している時のような郷愁が、肌に押し寄せてくる。
…三行書いて、もう弁明したい気分になった。テイスティングは間違っていないと思うが、自分でも小っ恥ずかしい出だしだ。疲れているに違いない。
今日のブログがポエミーな出だしなのは、下書きを平日に書いたからです。実際、コロナ禍で何食わぬ顔で出社して、定時過ぎるまで上司の顔色伺って(お前は別に伺ってないだろう!と総ツッコミが入りそうだ)、ご多分に漏れず少し残業して、帰って家事を一通り終わらせた後にブログ書くなんてね。ちょっとワーカホリックである。
けれど、家に帰ったら、この緑茶が最後の一杯分の茶葉しか無かったのだ。
ヘタな議事録だけでも、残しましょう、という訳。今日日の疲れの記録もともに。
さて。この緑茶は、標準的に思い浮かべる『緑茶』ではないと思う。『焼けたアスファルト』とうのは、特徴的な渋みとケミカルさとジューシーさが同居する感じを一言で言えば…と考えて出て来た表現だ。寂れた気配と、やけになったような明るさが同居するのが面白い。新茶でなかったらどんな味わいなんだろう、と想像を膨らませながら、美味しく頂いた。
栽培地は初倉。温暖な牧ノ原台地の東端の傾斜地で、お茶の産地を調べているとたまに目にするので、多分産地の一つなのだろう。そして、品種は『山峡』。『やまかい』と読みます。漢字、こんなに格好良かったのね。
島田煎茶 初倉 やまかい 100g [SNC-106-001-100] - 1,350円 : 青鶴茶舗-Thés du Japon (thes-du-japon.com)
やや変化球ながらカリッとチューニングされていて、私はこの緑茶、割と好きでした。それこそ、平日にパソコン開こうって気になる位には。大人になった今は夏休みどころか通年働きづめですが、新茶を飲むと少し季節感が甦る。まあ、明日も頑張りましょうか。
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