緑茶が庶民の生活に入ってきたのは、ざっくり江戸時代後期らしい。それまでは緑茶は高級武士や商人が嗜むばかりで、とてもパンピーに手が届く代物では無かったようだ。
じゃあ庶民は何を飲んでいたか、というと。番茶である。
見た目が葉っぱそのままで面白い(はりねずみ)
このサイズ感、水筒にそのまま入って便利なんだよね(にゃじるし)
海田園の美作番茶 80g | 海田園黒坂製茶 (theshop.jp)
この美作番茶は、枝葉を鍋で煮て乾燥させる、伝統的な製法で作られているという。かなり癖がある味かも…と身構えて飲んだが、個人的には飲みにくさは感じなかった。全体を通してゆるやかに鉄の風味、チョーク、ブビンガ(夫曰く。アフリカの木材らしい。なんだか復唱したくなる)、乾燥大豆、最後に少しココナッツ。食後に口をすっきりさせるのに適した、優しい飲み口である。
どうやら不肖庶民の系譜をつぐ私は、ここ二週間程、分不相応に美味しい緑茶たちと真正面から向き合って、結構緊張していたらしい。この美作番茶を何杯か飲んでいる内に、良い具合に肩の力がほぐれた。
きっと昔の庶民もこんな風に、ほっと一服していたのだろうな。
何百年か前の江戸に思いを馳せながら、茶葉を改めて眺める。丁寧に作られているのだろう、番茶の大きな葉っぱに独特の照りが美しい。
昔ながらの番茶にさりげなく応援されて、良い案配に気持ちが落ち着いた。ご馳走様でした。番茶は熱湯で淹れられるので、特に忙しい朝にもありがたい。あんまり番茶には縁が無かったけれど、いいなこれ。
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