味覚の主旋律、思い出の副旋律(千代乃園 雪ふる山のおそぶき茶 おくひかり)

ぐい飲みだけどお茶飲んでます。どの角度から見ても楽しい。#平岡仁さん
(気に入りすぎて今回この器使いすぎた笑 はりねずみ)


身近なものほど感想が言いにくい、というのは真理であった。余程のプロで無ければ、必ず感想に私情が絡む。特に自分の近くにあるものは、思い出が幾重にもあって、なかなか客観的になれない。

 

この記事を書くのに、八女茶を10種は飲んだ。だからこれから紹介する緑茶が美味しかったのは間違いない、とは言える。ただ、何が他のお茶と違うのか、と言われると、ぐ、と踏みとどまってしまう。距離が近すぎる。


 品種別煎茶「おくみどり」50g - 八女茶の通販 - お茶の千代乃園オンラインショップ(化学肥料・農薬不使用茶) (shop-pro.jp)


特に美味しく頂いた、上記URLおくみどりについて備忘録までに記しておく。藁、米、昆布、マスカットの風味。青々しい中に懐かしさがある、紛う事なきいい緑茶だった。や、美味しいんです。玄米茶も飲みやすく、一緒に飲んだ煎茶もふんわりとしていて。パッケージも程よく垢抜けており、人に差し上げるのにうってつけ。

 

でも、全く冷静に飲めない。罠のようにほの甘い八女茶の底に、思い出がたっぷりと眠っているから。

 

郊外とはいえ東京育ちなので、両親の出身地である九州では、正直かなり苦い思い出も多い。けれど同時に、美味しい記憶、美しいものを見た記憶が同じくらいあって、やはり嫌いにはなれない。一杯飲む度に、日差しが強く、街にくっきりと陰影の出来た福岡の夏を思い出してしまう。

 

いつかこの美味しいお茶を、てらいなく楽しめるようになったらいいなと思う。それが私にとって円い大人になった証拠になるだろう。ただ、暫くはこの美味しいお茶を、少し息を止めて飲む事になりそうだ。



はりねずみ的にはここのお茶は暫定一位です。洗練されたパッケージも魅力的。

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