圧倒的だった。美味しいの上の何やら哲学ゾーンに何歩か足を踏み入れてる味なんだけれど、それが一体何なのか、こちらが卑小すぎて捉えきれない。そんな雄大なお茶である。
基本的にお茶の木は、30~40年で植え替えるとされるようだ。だから、300年も植わっているお茶の木から、こんな美味しいお茶が取れるというのがまず凄い。
ーいやいや、すみません。奇跡でなく、実際は茶農家さんの努力の賜物です。種明かしすると、現時点で86歳の茶農家の方が、このお茶の木を守っているのだ。詳細は以下。尊敬が留まる所をしらない。
www.seiseido.com/mandokoro/siraki.html
お茶業界では高齢化が確実に進んでいるようで、この農家さんも2012年時点で『体が続く限り』と書いていらっしゃる。色々何てこった…。
さて、長年お茶農家の方が大事にしてきた貴重なお茶の木から取れた茶葉、若輩者ながら心して飲ませて頂いた。そして冒頭に戻る。
このお茶はスケールが大きすぎてすぎて、全く捉えきれなかった。不思議と海水みたいなゆるさが押し寄せてきて、その後、色んな味が走馬燈のようにパッパッと続く。キャッチできたのは昆布、ライム、あわ、ひえ、何らかのスパイシーな香辛料。様々な味がチカチカと口の中で踊って、不意に、ふつりと消える。決して強い風味があるわけでは無く、余韻も濃くはない。だけど、舌の上に何か気配が残る。
今まで飲んだことのないお茶で、不思議に美味しく頂いた。
何だかとてもいい心地になるお茶なのだ。美味しくて降参、といった所だ。
恐らく、後述の前田文夫茶師の緑茶やこの大茶樹は、素人が感想を書くことすらおこがましいような緑茶だと思う。ワインで言えば、五大シャトーをぽっと出のワインユーチューバーがレビューするようなもの。プロの方から見たら噴飯ものかもしれない。多分一年後に見たら目を覆いたくなるような記載をしているだろう。あーあ。
でも、このブログを始めたのは、こういう美味しい緑茶の記録が、インターネット上であんまり見当たらなかったからだ。だから、取り敢えずアップします。こちら、私の推し茶です。そりゃもう、美味しいですよ。
敬意を込めて、この大茶樹はお茶を味わう舌が整い次第、必ずもう一度飲ませて頂こうと思う。都会の片隅でコロナリスクにまみれながら出来る事は少ないですが、取り敢えず滋賀で踏ん張っている茶農家界の長老を、ネットの片隅で応援させて頂きたく。
お茶、ご馳走様でした。最高に美味しかったです。又、近々。
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